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# コーヒー焙煎のいまの理解 — 確かなこと、争点、埋まらない空白
- URL: https://coffee.database.science/understanding-roasting/
- Published: 2026-09-18T14:07:12.000Z
- Updated: 2026-09-22T10:17:20.000Z
- Description: 焙煎の知識は、温度の表と色見本と「◯◯理論」という形で流通しています。ところが査読論文の側から読み直すと、そのいくつかは支えを失い、いくつかは残り、いくつかは「まだ誰も測っていない」ことが分かります。この記事は、そのどれがどれなのかを一望するための地図です。結論と、その確からしさの度合いだけを置きます。個々の論拠は、それぞれの記事にあります。
- Author: コーヒー論文データベース
- Tags: 焙煎, 総論, 基礎

焙煎の科学 / 総論

最終更新: 2026-09-14 ／ 信頼度: **節ごとに記載**  
専門用語は出てくるたびに説明します。予備知識は要りません。 

本文中の記事名はリンクです。一部は**有料プランの記事**で、未加入の方には冒頭の「結論から」までが表示されます。

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## 結論から

- **焙煎に「開始温度」はない。**あるのは反応ごとの温度への敏感さの違いだけで、制御しているのは「何度を超えたか」ではなく「どの温度に、どれだけの時間いたか」の積み上げである。
- **焙煎を動かす主要な反応のうち、温度で動くのはメイラード反応だけ。**ほかは時間で積もる。ただしその根拠になる数値は、並べて比べられない。同じ名前が別の量を指しているからである。
- **焙煎色は、味どころか焙煎の進行度すら一意に決めていない。**同じ色の中に、乾物の分解量にして18%の幅がある。
- **実務が名前をつけた変数は、ほとんどが複数の量の束である。**焙煎度・発熱量・かさ密度・豆温。12例ある。交絡とは違う。**その変数自体が単一でない。**
- **土台が1つ空いている。**焙煎の温度域で豆の比熱を測った文献が一件もない。焙煎の数理モデルは全部その上に建っている。

## 1\. この地図の読み方

記述は3つの層に分けます。**層の名前は結論の強さではなく、支えている証拠の形で決めています。**「確立」は著者も試料も別の実測が複数あり同じ向きを指すもの、「争点」は反対報告があるか未検定のもの、「取り下げ」は原典に当たって支えが無くなったものです。

証拠の形で分けた3つの層 確立 — 独立した実測が複数あり、同じ向きを指す ・開始温度は存在しない。効いているのは温度と時間の積み上げ ・温度で動くのはメイラードだけ。収斂味と苦味は時間で積もる ・焙煎色は焙煎の進行度を一意に決めていない ・名前のついた変数は、たいてい複数の量の束である 争点・仮説 — 反対報告があるか、まだ検定されていない ・1ハゼで制御感が変わる理由は、発熱ではなく蒸発の終わり ・積み上げ量は一つの数ではなく、豆一粒ごとの分布である ・深い焙煎の刺激的な後味の担い手が、まだ特定できていない ・実践家は正しい操作を先に見つけ、説明を後から当てている 取り下げ — 原典に当たった結果、支えが無くなった ・メイラード反応は 140℃ から始まる ・同じ焙煎色なら、焙煎の進行度も抽出のされ方も同じである ・比熱は焙煎が進むと下がる 

**図1** この知識ベースの確信度の地図。各層に挙げたのは代表例で、網羅ではありません。縦の並び順に意味はありません。

## 2\. 確立①——温度は「関門」ではなく「つまみ」である

信頼度: **高**（向きについて）／ **低**（活性化エネルギーの数値を比べられるかについて）

用語

**メイラード反応** アミノ酸と糖が結びついて、褐色の物質と香りを作る反応です。パンの焼き色も肉の焼き目も同じ反応です。

**クロロゲン酸（CGA）** 生豆に多い酸の一群。その分解物が、苦味と収斂味（口の中が乾いて引き締まる感じ）の主な担い手です。

「メイラードは 140℃ から」「クロロゲン酸は 110℃ から」は目安としては便利ですが、**化学の側にその境目はありません**。どちらも温度を上げれば速くなるというだけの連続的な変化です（[反応はいつ始まるのか](https://coffee.database.science/maillard-no-threshold/)）。端的に示すのは、焙煎中の発熱を測った古典的な仕事です。一定の速さで加熱しながら熱の出入りを記録すると、**毎分 1℃ では発熱が 150℃ で始まり、200℃ でピーク、240℃ で終わる。**ところが**毎分 0.5℃ にすると、同じ発熱がもっと低い温度へ移動します。**∴ **「発熱は◯◯℃から始まる」は、昇温速度を指定しなければ意味を持ちません。**温度は反応の関門ではなく、速さのつまみです（熱の入り方は [豆に熱はどう入るか](https://coffee.database.science/heat-transfer/) にあります）。

では、そのつまみはどの反応にどれだけ効くのでしょうか。ここに**決定的な非対称**があります。

用語

**活性化エネルギー（Ea）** 「反応が始まるのに必要なエネルギー」**ではありません**。**その反応が温度にどれくらい敏感か**を表す数です。大きいほど温度を上げた見返りが大きく、小さいほど時間をかけるしかない。

この値が反応ごとにまったく違うことが、焙煎の設計を決めています。**主要な反応のうち、温度で動くのはメイラード反応だけ。**クロロゲン酸の分解も発熱も見返りが小さく、時間で積むしかありません。

← 時間で積む側 温度で買う側 → 焙煎豆で報告された値 メイラード反応（全体） 109〜145 ストレッカー・ジカルボニル系 108〜179 ピラジン・含窒素複素環系 40〜121 焙煎の発熱反応 約46 CGA分解（実豆・単一ピーク） 26.0 CGA分解（実豆・総量） 44.4 単離した5-CQAの熱分解 79 同一の設計・同一の試料で測った4つの量（カカオ） 水分の減少 59.6 明度の変化 76.6 色相角の変化 93.7 メラノイジンの生成 132 050100 150200 活性化エネルギー Ea（kJ/mol）→ 

**図2** 温度への敏感さの散らばり。**横方向の位置は報告値ですが、縦の並び順に意味はありません。**灰色の3点は「クロロゲン酸分解の活性化エネルギー」という**同じ名前の別々の量**。下段の4点は一つの仕事から出た値で、試料はカカオです。  
データ出典: Schwartzberg (2002)／Mehaya と Mohammad (2020)／Perrone ら (2010)／Sacchetti ら (2015)

**ここで、この地図でいちばん大事な注意が出ます。**灰色の3点（26.0、44.4、79）は、どれも「クロロゲン酸分解の活性化エネルギー」として文献に書かれていますが、追っている対象も温度域も装置も違います（単一のピーク／実豆の総量／単離した1分子）。**一つの名前が、3倍の幅の別々の量を指している。**∴ これを「26〜79 kJ/mol の幅」と書いてはいけません。幅ではないからです。同じ散らばりはメイラード反応の**内部**にもあります。ストレッカー・ジカルボニル系（108〜179）とピラジン系（40〜121）では敏感さが違う。**∴ 対立は反応名ではなく、経路のレベルで語らなければなりません。**そして**系を揃えてもなお散ります。**図2の下段は、カカオ豆を 125・135・145℃ で最終水分が揃うまで焼き分けた一つの仕事で、同じ試料・同じ装置から出た4つの値が **2.2 倍**に散っています。

ただし「低い値＝時間で積もる」が使えるのは**単調に積み上がる量だけ**で、山なりに動く成分もあります。**早く出て、早く壊れる。**より詳しい値の読み方は [温度で買うか、時間で積むか](https://coffee.database.science/roasting-kinetics/) にあります。

## 3\. 確立②——甘さは温度で買い、収斂味と苦味は時間で払う

信頼度: **中〜高**（原理の向きは複数の実測で支持。担い手の同定は空白）

これを実務の語に翻訳すると、**甘さと質感は温度で買える。収斂味と苦味は時間で積もる。**ただし両側とも単純ではありません。**「甘さ」は3つのものの合成です。**①舌で感じる甘味の刺激。ただし**物質は未同定で、糖ではありません**。抽出液中の糖は検知できる濃度の 1/20 しかない。②甘さを呼ぶ香り。**焙煎で買えるのはここだけ**。③ほかの味からの抑制。しかも②も半分しか買えず、**天井を決めているのは生豆の側**です（[甘さはどこから来るのか](https://coffee.database.science/sweetness/)／[生豆が決めていること](https://coffee.database.science/green-coffee/)）。

**「苦味」も一つの量ではありません。**穏やかなほうの苦味を担うキニド（クロロゲン酸が焙煎初期に変化した物質）は逆U字を描き、**ごく浅い焙煎でも、ごく深い焙煎でも頂点の 0.23〜0.28 倍**しかありません。∴ 深煎りで苦味が強いのは、増えたからではなく**別のものに置き換わったから**です（[苦味と収斂味の化学](https://coffee.database.science/bitterness-astringency/)）。

言葉について — 「刺激的な後味」を何と呼ぶか

深い焙煎の刺激的な後味を指す業界の口語（＝ハーシュ）がありますが、この記事では使いません。**訓練された官能パネルが使う語彙集3つのいずれにも、その語が載っていないから**です。定義があるのは業界の用語集の側だけで、**採点できる記述子ではありません。**代わりに使う**収斂味**と**苦味**には定義も参照試料も実測データもあり、呼び名を移したことでこの原理は反証可能になりました。

カップの中でも**甘味と苦味の打ち消し合いは対称ではありません。**知覚の強さを揃えて比べると、ショ糖の側は苦味を 67.0〜71.7% 下げるのに、**甘味の側はどの対でも有意になりませんでした。**∴ 非対称性は「どちらがより下げるか」ではなく「片側だけが有意になる」という形で立ちます。留保: この比較は独立した実験ではなく、単味の測定から近い濃度の対を後から選んだものです。

## 4\. 確立③——焙煎色は、その先のどれも決めていない

信頼度: **高**（進行度について）／ **中〜高**（抽出への経路について）

焙煎色は実務でいちばん信用されている指標で、その信用は「色が同じなら中身も同じはず」という前提に乗っています。**この前提は成立しません。第一に、測定が粗い。**粉の細かさを変えるだけで測定値は 63.2 から 85.2 まで動きます。そして**発達不足の豆と正常な豆の色の差（74.4 対 74.9）は、同じ粉を測り直したときのばらつき（標準偏差 0.88）より小さい**。∴ 発達不足は色では見つかりません（[焙煎欠陥をどう測るか](https://coffee.database.science/roast-defects/)）。

**第二に、これが本質ですが、色と進行度は別の反応系に属しています。**統計的に等価なほど揃った同じ明度の豆どうしで、**有機重量損失（失った重さのうち水以外の分）が 18% 違い、香気16成分のうち15成分に有意差が出る。**逆に、明度がほとんど変わらない 30〜40 秒で主要な香気が半分になる区間もあります（[焙煎色とメラノイジン](https://coffee.database.science/roast-color-melanoidins/)／[RoR と DTR](https://coffee.database.science/roast-profile-design/)）。

さらに、**ロットが均一でなければ色はそもそも成立しません**。黒豆やサワー豆は同じ条件で焼いても焙煎が進まないからです（[欠点豆のゼロトレランスに根拠はあるか](https://coffee.database.science/defect-beans/)）。

では色の先に何があるのか。焙煎は味を直接作っているのではなく、あいだに**豆の物理構造**が挟まります。

焙煎 温度 × 時間 豆の物理構造 多孔度・密度 抽出されやすさ 濃度・収率 カップ 苦味・収斂味 同じ色の中に 多孔度で8.2ポイント ここだけ単調でない 収率は山型になる ここは単調 濃くすれば苦くなる 同じ量でも、同一の抽出条件で見るか同一の抽出収率で見るかで 結論の符号が反転することがある 

**図3** 焙煎から味までの経路。箱の大きさと矢印の長さに意味はありません。  
データ出典: Al-Shemmeri ら (2024・2025)

ケニア産アラビカを**すべて同じ焙煎色（測定値 70±1）に揃えて**焼き、X線で空隙を測ると、220℃ 仕上げが 57.14%、280℃ 側が 65.35%。**∴ 同じ色の中に、多孔度にして 8.2 ポイントの幅があります。**

非線形性は「構造 → 抽出」に集中します。**多孔度は単調に増えるのに、抽出収率は重量損失 12〜14% を境に山型になる。**一方「抽出 → カップ」は単調です（[濃度と収率](https://coffee.database.science/brewing-axes/)）。そして符号の反転があります。カフェイン濃度は、同一の抽出条件で見ると深煎りほど低く、同一の抽出収率で見ると高い。∴ **同一焙煎色の比較実験で出た官能差の一部は、組成の差ではなく抽出収率の差でありうる**のです。

## 5\. 確立④——名前のついた変数は、複数の量の束である

信頼度: **高**（仮説ではなく、12例の具体的な帰結）

この地図の中でいちばん応用がきくのがこれです。**交絡とは違います。**交絡は「別の変数が一緒に動いている」、こちらは「**その変数自体が単一でない**」。

| 一つの名前                 | 実際に指している別々の量                                                           |
| --------------------- | ---------------------------------------------------------------------- |
| **焙煎度**               | 色 ／ 重量減 ／ 時間。一つ揃えれば、必ず他の二つが散らばる                                        |
| **発熱量**               | 250〜420 ／ 232 ／ 107 の3つの別の量が同じ語で流通している                                 |
| **かさ密度**              | 粒の密度（872〜1290）と、詰めたときの詰まり具合（353〜379）。単位は同じ                             |
| **メラノイジン**            | 濾過した画分の重さ ／ 吸光 ／ 分離した面積 ／ 比色。4つの別の測りかた                                 |
| **豆温**                | 向きの逆な二つの誤差の合成。遅れは低く、豆床が緩むと高く出させる                                       |
| カッピングの**Sweetness** 欄 | 旧フォームの二値判定 ／ 記述評価の 0〜15 強度 ／ 嗜好評価の9段階 ／ 主要な味のチェック欄。**同じラベルが4つの別の量を指す** |
| **「増える」という述語**        | 分母を書かないと向きが決まらない。同じ物質で、乾物あたり平ら・抽出液あたりU字・濃度で逆U字                         |

最後の Sweetness 欄は、束の中でもとりわけ厄介です。旧カッピングフォームでは杯ごとに「あるかないか」を判定する二値の欄でした。2024年の規格ではこれが分かれ、**記述評価では 0〜15 の強度（目盛りは 0・5・10・15）**になります。しかも規格自身が**「強度は品質や望ましさを含意しない」**と明記している。Sweetness と Acidity には選択肢のリストが無く自由記述で、一方**主要な味のチェック欄には Sweet が別にあり、最大2つまで選びます**。**嗜好評価はさらに別で、他の項目と同じ9段階**です。杯間の一致（Uniformity）と欠点（Defect）はまた別の量で、5杯中の杯数として数え、控除は非均一1杯につき2点、欠点1杯につき4点。∴ **同じ「Sweetness」というラベルの下に、少なくとも4つの別の量があります。**

このうち**豆温の束だけは、その先を全部汚します。**焙煎の速度式は、温度としてプローブの指示値を入れて立てられています。結果として活性化エネルギーが吸気温度と相関し、**著者自身が「これらのモデルは物理的な意味を欠いている」と結論しました**（[焙煎を式で読む](https://coffee.database.science/roasting-models/)）。

∴ ある変数を「振った」と書いてある文献を読むときは、**その操作の中で同時に何が動いてしまっているかを先に列挙する。**これがこの地図から取り出せる、いちばん持ち運びやすい道具です。

## 6\. まだ争っていること

信頼度: **低〜中**（いずれも仮説。反証の条件は書ける）

- **1ハゼで制御感が変わる理由。**通説は「発熱というアクセルが入るから」ですが、工学文献の結論は「豆温の曲線への影響は無視できる」で一致しています。いま調べているのは、蒸発というブレーキが抜けるからではないか、という側です。
- **積み上げ量は、一つの数ではなく分布かもしれない。**豆一粒ごと・層ごとの分布だとすれば、焙煎速度の急変は平均を変えずに分布の幅だけを変えうる。層方向は否定され、粒方向と多孔度方向は未検定です。
- **深い焙煎の刺激的な後味（ハーシュ）の担い手が、まだ特定できていない。**有力候補だった化合物群は、合計しても水中の閾値の 1/14〜1/21 にしかなりません（自算）。∴ 担い手は別にいます。
- **実践家は、正しい操作を先に見つけ、説明を後から当てているのではないか。**公刊された実務書の著者自身が、ディベロップ比率 20〜25% の根拠を「それは何かの証明ではない。自信を持たせてくれた相関である」と自己格付けしています。

## 7\. まだ誰も測っていないこと

信頼度: **—**（空白の所在そのものは、探索の結果として確認済み）

地図の価値は、描けている場所より**白いまま残っている場所を正確に示せるか**にあります。いま空いているのは次の4つです。

- **焙煎の温度域（150〜230℃）で豆の比熱を測った文献が、一件もない。**直接測定はすべて 150℃ 以下で、焙煎域の値はすべて外挿です。**焙煎の数理モデルは、全部その上に建っています**（[焙煎を式で読む](https://coffee.database.science/roasting-models/)）。
- **到達焙煎色を固定して加熱機構（ドラム対流動層）を振った官能実験が 0 本。**方式を振って官能まで測った研究は1件ありますが、到達色を固定していません。
- **同一焙煎色 × 同一抽出収率で官能を測った実験がない。**片側だけの統制は2本あり、軸は互いに直交しています。障壁は設計ではなく、焙煎の人と抽出の人が別の論文を書いていることです。
- **精製方法を振った強度試験で、含水率を揃えたものが一件もない。**豆は吸湿するとまず硬くなるため、事後の補正も効きません（[生豆が決めていること](https://coffee.database.science/green-coffee/)）。

## この記事が実践に活かせること

1. **収斂味や苦味が出たら火力ではなく時間を疑い、甘さや質感が足りないなら時間ではなく温度を疑う。**浅煎りでの「もっと浅く止める」は逆効果になりえます。収斂味は残ったクロロゲン酸の量ではなく、分解物の積み上げで決まるからです。
2. **焙煎色を品質管理に使うなら、色に加えて重量損失を記録する。**そして「同じ焙煎度」と言うときは**何を揃えているのかを言う。**色を揃えれば重量減は揃わず、重量減を揃えれば到達温度は揃いません。
3. **高温短時間で焼いた豆は、同じ色でも多孔である。抽出レシピを使い回さない。**短い側で強すぎる・苦いと感じたら、焙煎を戻す前に粉と湯の比か挽き目を見直します。
4. **焙煎を比べる試飲では、色だけでなく濃度も揃える。**全浸漬式（カッピングやフレンチプレス）なら平衡時の抽出収率が焙煎度にほぼ依らないので、粉と湯の比を揃えるだけで済みます。そして**焙煎機付属の予測モデルは、あなたのプローブの上に建っています。**プローブやバッチサイズを変えたら較正し直します。
5. **官能を記録するときは、業界の口語ではなく「収斂味」「苦味」と書く。**記録のタグも「何を揃えて何を振ったか」で付けます。

## この記事に出てきた用語

| 用語               | ひとことで                      |
| ---------------- | -------------------------- |
| **メイラード反応**      | アミノ酸＋糖で褐色と香りができる反応         |
| **活性化エネルギー（Ea）** | その反応が温度にどれくらい敏感か。単位 kJ/mol |
| **クロロゲン酸（CGA）**  | 生豆に多い酸。分解物が苦味と収斂味の担い手      |
| **キニド**          | 穏やかなほうの苦味を担う物質。量は逆U字を描く    |
| **収斂味**          | 口の中が乾いて引き締まる感覚。苦味とは別の系統    |
| **有機重量損失**       | 焙煎で失った重さのうち、水以外の分          |
| **多孔度**          | 豆の中に空隙が占める割合。抽出の速さに効く      |
| **抽出収率**         | 粉から液へ移った固形分の割合。濃度とは別の量     |
| **比熱**           | 温度を1度上げるのに要る熱量。モデルの土台になる量  |
| **豆温プローブ**       | 焙煎機の中の温度計。真の豆温ではなく指示値を出す   |

## いま取り下げている記述

かつてここに書かれていて、その後の検証で取り下げたものです。**同じ誤りを再び拾わないため**に残しています。全体像の記事なので、各記事から集めました。

| 取り下げた記述                              | 理由                                              |
| ------------------------------------ | ----------------------------------------------- |
| メイラード反応は 140℃ から始まる                  | 閾値はない。140℃ は褐色が目視できる温度                          |
| 深い焙煎の刺激的な後味は、官能の記述子として採点できる          | 訓練パネルの語彙集3つのいずれにもその語がない。業界の口語                   |
| クロロゲン酸分解の Ea は 26〜79 kJ/mol の幅である    | 幅ではない。単一ピーク・実豆の総量・単離した1分子という3つの別の量              |
| 発達不足は焙煎色で検出できる                       | 正常 74.4 と発達不足 74.9 の差は、反復測定のばらつき（標準偏差 0.88）を下回る |
| 甘さの担い手は糖である                          | 抽出液中の糖は検知できる濃度の 1/20 しかない。物質は未同定                |
| 深煎りの苦味が強いのは、苦味物質が増えるから               | キニドは逆U字で深い側では頂点の 0.28 倍。増えたのではなく置き換わった          |
| 焙煎色が同じなら、焙煎の進行度も同じである                | 統計的に等価な同じ明度で有機重量損失が 18% 違い、香気16成分中15に有意差        |
| 同じ焙煎色なら、抽出レシピは使い回せる                  | 同じ色に揃えた豆の中に、多孔度にして 8.2 ポイントの幅がある                |
| 比熱は焙煎が進むと下がる                         | 「下がる」側の唯一の根拠とされた文献の原典に、その記述がなかった。3対0            |
| 1ハゼで制御が変わるのは、発熱がアクセルとして入るから          | 工学文献は一致して「豆温の曲線への影響は無視できる」とする。ブレーキ側もまだ仮説        |
| 焙煎機の方式が、独立した味の軸として効く                 | 到達色を揃えて方式を比べた官能実験が 0 本。方式と焙煎速度が交絡している           |
| 旧カッピングフォームの Sweetness 欄で、甘さの強さを比べられる | 杯ごとに「あるかないか」を判定する二値尺度。強さを示さない                   |
| メラノイジンへのフェノール取り込みは、肯定と否定で争っている       | 両方とも正しく、両立する。分かれているのは結論ではなく、何を見たか               |

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## 参考文献

1. Schwartzberg, H. G. 2002\. Modeling Bean Heating during Batch Roasting of Coffee Beans. In: *Engineering and Food for the 21st Century*, Chapter 52\. CRC Press. DOI 10.1201/9781420010169.ch52
2. *Foods* (MDPI). 2025\. Maillard Reaction: Mechanism, Influencing Parameters, Advantages, Disadvantages, and Food Industrial Applications. *Foods* 14(11), 1881.
3. Mehaya, F. M.; Mohammad, A. A. 2020\. Thermostability of bioactive compounds during roasting process of coffee beans. PII S2405844020323513
4. Perrone, D.; Donangelo, R.; Donangelo, C. M.; Farah, A. 2010\. Modeling weight loss and chlorogenic acids content in coffee during roasting. *Journal of Agricultural and Food Chemistry* 58(23), 12238–12243\. DOI 10.1021/jf102110u
5. Sacchetti, G. et al. 2015\. Non enzymatic browning during cocoa roasting as affected by processing time and temperature. *Journal of Food Engineering* 169, 44–52\. DOI 10.1016/j.jfoodeng.2015.08.018
6. Baggenstoss, J. 2008\. Coffee Roasting and Quenching Technology — Formation and Stability of Aroma Compounds. Diss. ETH No. 17696, ETH Zürich.
7. Al-Shemmeri, M.; Fryer, P.; Farr, R.; Lopez-Quiroga, E. 2024\. Development of coffee bean porosity and thermophysical properties during roasting. *Journal of Food Engineering* 378, 112096\. DOI 10.1016/j.jfoodeng.2024.112096
8. Al-Shemmeri, M.; Fryer, P. J.; Farr, R.; Lopez-Quiroga, E. 2025\. Batch-Scale Simulation of Heat and Mass Transfer of Coffee Roasting in Spouted Bed Roasters. *Beverages* 11(6), 162.
9. Al-Shemmeri, M. 2024\. A data driven approach to process & product simulations of coffee roasting. EngD論文, University of Birmingham.
10. Blumberg, S.; Frank, O.; Hofmann, T. 2010\. Quantitative Studies on the Influence of the Bean Roasting Parameters and Hot Water Percolation on the Concentrations of Bitter Compounds in Coffee Brew. *Journal of Agricultural and Food Chemistry* 58(6), 3720–3728\. DOI 10.1021/jf9044606
11. Frank, O.; Blumberg, S.; Kunert, C.; Zehentbauer, G.; Hofmann, T. 2007\. Structure Determination and Sensory Analysis of Bitter-Tasting 4-Vinylcatechol Oligomers and Their Identification in Roasted Coffee by Means of LC-MS/MS. *Journal of Agricultural and Food Chemistry*. DOI 10.1021/jf0632280
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