更新のしかた

新しい論文をいつ探し、何が起きたら記事を書き換えるのか。探す頻度、書き換えの基準、変えたあとに残す記録までを、あらかじめ決めて公開しています。

コーヒー論文データベース / 更新の方針

いつ、何を探し、どうなったら書き換えるか

このサイトは、一度書いた記事をそのままにしません。新しい論文が出れば書き換え、支えを失った記述は取り下げます。ではどのくらいの頻度で探し、何が起きたら書き換えるのか。その決め事を、あらかじめここに出しておきます。

最終更新: 2026-09-19
この方針を変えたときも、変えたことがこのページに残ります。

もとになった考え方

医学の分野に、更新し続ける総説という営みがあります。あるテーマについて関係する研究を集め、ひとつずつ質を確かめ、全体として何が言えるかをまとめる——この作業を系統的レビューと呼びます。ふつうは一度作ると数年そのままですが、新しい研究が出るたびに更新し続けるやり方が近年広がりました。「生きた(living)」と呼ばれるのはその部分です。

その手引きを読むと、更新を続けるために大事だとされていることが、いくつか挙がっています。このサイトは、そのうち3つを借りています。

  • 探す頻度と方法を、あらかじめ決めて公開する(→ 下の「何を、どのくらいの頻度で探しているか」)
  • 結論を変えるかどうかの基準を、先に決めておく(→「どうなったら書き換えるか」)
  • 変えたときは、何をどう変えたかを残す(→「変えたあとに残すもの」)
ただし、これは系統的レビューではありません。考え方を借りているだけで、その手続きを踏んではいません。何を踏んでいないかは、このページの終わりに全部書きました。個人が運営している、コーヒーの知識ベースです。

何を、どのくらいの頻度で探しているか

探す作業と、記事に反映する作業は別々に動いています

何をどこを見るか頻度
新しい論文を探す医学・食品科学の文献データベース(PubMed/Europe PMC)。前回探した日以降に出たものに絞り、決まった検索語で当てます毎日
総説・規格の改訂を見る同じテーマの総説が新しく出ていないか。業界規格が改訂されていないか月1回
記事に反映する原本のどこが変わったかを機械で検知し、その記事だけを作り直します毎週

記事によって、見る頻度を変えています。争点が動いているもの、まだ誰も測っていない部分があるものほど、よく見ます。逆に、化学の基礎に近くて短期には覆りにくいものは、頻度を落としています。

よく見るもの争点が決着していない、または「まだ測られていない」と本文に書いてある論点。透過式の不均一な流れ、微粉の移動、濃度と知覚のあいだ、豆への熱の入り方など
規格が動いたら見るもの根拠が業界規格の文書にあるもの。水質、官能評価の様式など
頻度を落とすもの反応速度論など、化学の基礎に近く、短期に覆りにくいもの

どの記事がどの区分かは、各記事の冒頭に出している「信頼度」とおおむね対応します。

どうなったら書き換えるか

新しい論文が見つかっても、すぐ記事を直すわけではありません。3つの関門を順に通します。

1. その記事の問いは、まだ意味を持っているか。検証しようとしていた通説そのものが、もう誰も言わなくなっていないか。まだ実務の判断に関わるか。

2. 新しい証拠、または新しい測り方があるか。論文だけでなく、「これまでと違う測り方が出てきた」も含みます。同じ結論でも、測り方が変われば読み方が変わるからです。

3. それを入れたら、記事の結論が変わりそうか。ここまで来て初めて、書き換えに着手します。

3つ目の「変わりそうか」は、4段階に分けています。段階によって、記事のどこまで直すかと、「今週の更新」でどう扱うかが変わります。

どう変わるか記事をどう直すか
結論は変わらない出典を1件足すだけ。本文はそのまま
留保が動く「ただし」の部分を書き換え、信頼度を見直す
結論が動く冒頭の「結論から」を書き換える。「今週の更新」の先頭に出します
主張が否定された結論を書き換え、旧い記述を「いま取り下げている記述」の表に移して理由を書きます。消しません

下の2段は、必ず人が目で見て決めます。機械が「結論が変わった」と判定したものを、そのまま出すことはしません。

変えたあとに残すもの

  • 各記事の冒頭に「最終更新」の日付。その記事がいつの時点のものかが分かります。
  • 各記事の末尾に「改訂の記録」。いつ、何を、なぜ変えたか。直近のものを開いた状態にしてあります。
  • 各記事の末尾に「いま取り下げている記述」。支えを失った記述を、消さずに理由つきで残します。間違えていたことを消さないのは、この方式の核です。
  • 毎週の「今週の更新」。その週に何が変わったかを一覧にします。読み方が変わるほどの更新は、先頭に別枠で出します。

していないこと

医学の系統的レビューには決まった手続きがあります。このサイトはそのどれも踏んでいません。借りているのは考え方だけです。

検索式の事前登録どういう言葉でどう探すかを、前もって第三者に登録していません
複数人での独立した選別拾った論文を採るか捨てるかを、二人が別々に判断して突き合わせる——ということをしていません。読んでいるのは一人と、作業を手伝う言語モデルです
決まった手順でのバイアス評価一本ずつ定型の様式で偏りのリスクを採点する、ということをしていません。弱点は本文に文章で書いています
メタ分析複数の研究の数値を統計的に統合する、ということをしていません
網羅性の保証「探した範囲では見つからなかった」までしか言えません。「存在しない」とは言えません。本文でも、そう書き分けています
もうひとつ、構造的な限界があります。すでに出ている論文を後から集めるやり方では、結果を知ったうえで「どの論点を記事にするか」を選ぶことになります。おもしろい結果が出ている論点のほうが記事になりやすい、という偏りを、この方式では原理的に排除できません。前もって対象を決めておけば避けられますが、それは研究を計画する側にしかできないことです。この偏りがあることを承知のうえで読んでください。

記事の冒頭に出している「信頼度」も、確立した評価体系ではありません。「どれくらい確かか」を筆者が4段階で見立てた目安です。医学で使われる標準的な採点方式とは関係がありません。

この方針そのものを見直すとき

頻度や基準を変えたときは、このページを書き換えたうえで、「今週の更新」に出します。方針を黙って変えることはしません。まちがいを見つけたときも同じで、何をどう直したかを残します。


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