抽出温度と味 — 問いに合わせた抽出条件の変更
2杯のコーヒーを比べたら、一方が苦く感じました。でも、豆も、粉の量も、湯温も違ったら? 何が理由だったのか、その2杯だけでは切り分けにくいですね。
COFFEE PAPER STUDIO / 抽出温度と味 / はじめの一歩
このページだけでも読めます。興味のある部分だけ読んでも構いません。基礎になじみがある方は、図から読み解く「後から落ちるコーヒーは、全部の味が弱くなる?」へ進んでも構いません。
読む時間の目安:約5分。
読む時間の目安:約5分。
「温度の影響を調べた」には、
いろいろな比べ方がある。
2杯のコーヒーを比べたら、一方が苦く感じました。でも、豆も、粉の量も、湯温も違ったら? 何が理由だったのか、その2杯だけでは切り分けにくいですね。
言葉をひとつ:「条件を揃える」
知りたい違いを見やすくするために、豆や提供温度などをできるだけ同じにすることです。ただし、何を揃えるかはどんな問いに答えたいかによって変わります。
湯温を変えると、抽出の進み方が変わり、濃度(concentration)や収率(extraction yield)も変わるかもしれません。そのため、次の2つは別の問いになります。
問いA / いつものレシピなら?
ほかを変えずに、湯温を変える。
同じ豆・粉量・挽き目・時間
↓
湯温を変える
↓
濃度・収率の変化も含めて
味を比べる
味を比べる
普段のレシピで湯温を変えたとき、出来上がり全体がどう変わるかを知りたい問いです。
問いB / 同じ濃さに揃えたら?
温度を変え、抽出条件も調整する。
湯温を変える
↓
挽き目や時間などを調整し
濃度・収率を目標に揃える
濃度・収率を目標に揃える
↓
その状態でも
味に差が残るか比べる
味に差が残るか比べる
Batali ら (2020:抽出温度の研究)はこちらです。「湯温だけ変える」レシピの実験ではありません。
比べる条件が変わると、答える問いも変わる。
答えている問いが違います。論文を読んだら、まず「自分が知りたいことと、同じ比べ方かな?」と確かめましょう。
「濃度が同じ」なら、成分の内訳も同じ?
同じとは限りません。TDS(total dissolved solids)は成分をまとめた割合です。その合計が同じでも、個々の成分の割合は違い得ます。このため「濃度を揃えた」だけで、味の原因物質まで特定できるわけではありません。
このページの用語
| 用語 | 読み | 英語 |
|---|---|---|
| 濃度 | のうど | concentration |
| 収率 | しゅうりつ | extraction yield |
| TDS | ティーディーエス | total dissolved solids |
ふりかえり
濃度を揃えた比較と、レシピを固定した比較は同じですか?
解説を読む
濃度を揃えるために挽き目や時間を調整する場合があります。何を揃えたかによって、答える問いが変わります。
出典:Batali ら (2020:分画の研究、抽出温度の研究)/Batali ら (2022)。
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