抽出温度と味 — 誤差棒の読み方
論文のグラフでは、点の上下に短い棒が付いていることがあります。この棒は誤差棒(error bar)と呼ばれます。「実験に失敗した幅」という意味ではなく、測定値のばらつきや、平均値の推定の不確実性などを表します。
COFFEE PAPER STUDIO / 抽出温度と味 / はじめの一歩
読む時間の目安:約5分。
点に付いている「棒」は、
何だろう?
論文のグラフでは、点の上下に短い棒が付いていることがあります。この棒は誤差棒(error bar)と呼ばれます。「実験に失敗した幅」という意味ではなく、測定値のばらつきや、平均値の推定の不確実性などを表します。
「棒がある。何の幅だろう?」と思って、図の下の説明文を探せれば十分です。大抵は下の三つのどれかです。
SD・SE・CI を見かけたら
- SD(標準偏差(standard deviation; SD)):測った値そのものが、どれくらい散らばっているかの目安。
- SE(標準誤差(standard error; SE)):平均値の推定がどれくらい不確実かの目安。個々の値の散らばりとは別です。
- CI(信頼区間(confidence interval; CI)):決めた方法で作る、推定の区間。「95%信頼区間」は、同じ手順を何度も繰り返すと、作った区間の約95%が真の値を含む、という意味です。測定値の95%が入る範囲ではありません。
棒が重なるかどうかより、「有意差」の記号を見る。
2つの点の棒が重なっていると「差がない」、離れていると「差がある」と読みたくなります。でも論文では、棒の見た目ではなく統計的な検定で差を判定し、その結果を有意差(statistically significant difference)と呼びます。「決めた基準のもとで、偶然のばらつきだけでは説明しにくい差だと判断された」ということです。
図や表では、有意差の判定を a・ab・b のような文字で示すことがよくあります。読み方は、同じ文字を1つでも共有する組は、有意差が示されていない。たとえば「a」と「ab」は a を共有するので、数字に差があっても「明確な差が示された」とは読めません。「a」と「b」なら、共有する文字がないので、有意差ありです。
有意差が示されなかったのは、「その基準では差があると言えなかった」ということ。完全に同じだと証明したわけではありません。
このページの用語
| 用語 | 読み | 英語 |
|---|---|---|
| 誤差棒 | ごさぼう | error bar |
| 標準偏差 | ひょうじゅんへんさ | standard deviation; SD |
| 標準誤差 | ひょうじゅんごさ | standard error; SE |
| 信頼区間 | しんらいくかん | confidence interval; CI |
| 有意差 | ゆういさ | statistically significant difference |
ふりかえり
表の「a」と「ab」の間に、有意差はありますか?
解説を読む
示されていません。共通の文字 a を持つ組は、使われた比較方法では有意差なし、と読みます。