抽出温度と味 — 濃度と収率の違い
コーヒーに水を足すと、薄くなります。でも、すでに溶けていたコーヒーの成分が減ったわけではありません。成分の量はそのまま、水が増えて、液全体の中で成分が占める割合が小さくなったのです。この割合が濃度です。
COFFEE PAPER STUDIO / 抽出温度と味 / はじめの一歩
読む時間の目安:約5分。
「薄くなった」は、成分が減ったのではなく、
濃度が下がったということ。
コーヒーに水を足すと、薄くなります。でも、すでに溶けていたコーヒーの成分が減ったわけではありません。成分の量はそのまま、水が増えて、液全体の中で成分が占める割合が小さくなったのです。この割合が濃度です。
「1%」は、全体100に対して1、という意味。
この教材では、液や成分の量を質量(mass)(g)で比べます。液100gの中に溶けた成分が1gあれば、濃度(concentration)は1%。その液200gに成分が3gあれば、100gあたりでは1.5gなので、1.5%です。
論文で出てくるTDS(Total Dissolved Solids)は、液に溶けている成分をまとめて「溶けた固形分」と呼び、その濃度を表したものです。「甘味の成分だけ」「苦味の成分だけ」の量ではなく、まとめた割合です。
では、「収率」は何を比べている?
濃度が「出来上がった液のうち、どのくらいが成分か」を見るのに対し、収率(extraction yield; EY)は「元の粉から、どのくらい取り出せたか」を見ます。同じ3gでも、比べる相手が違います。ここがこのページでいちばん大事なところです。
濃度(TDS):出来上がった液と比べる、溶けた固形分の割合。
収率(EY):元の粉と比べる、溶けた固形分の割合。
計算を一緒にたどる(飛ばしても大丈夫)
- 液200g、濃度1.5%なら、溶けた成分は 200 × 1.5 ÷ 100 = 3g。
- 元の粉が15gなら、カップに回収した成分の割合は 3 ÷ 15 × 100 = 20%。
- 水100gを足すと液は300g。成分3gのままなので、濃度は 3 ÷ 300 × 100 = 1%。
注いだ湯200gと、出来上がった液200gは同じとは限りません。粉に水が残るためです。計算には、何の質量を使っているかを確認しましょう。
このページの用語
| 用語 | 読み | 英語 |
|---|---|---|
| 質量 | しつりょう | mass |
| 濃度 | のうど | concentration |
| TDS | ティーディーエス | total dissolved solids |
| 収率 | しゅうりつ | extraction yield |
同じコーヒーに水だけ足したら、濃度と、カップにある成分の量はどうなりますか?
説明を読む
濃度は下がり、成分の量は変わりません。
出典:Batali ら (2020:分画の研究、抽出温度の研究)。
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